週末、父が遊びに来ていた。
新しいキャップがほしいから一緒に
見に行ってほしいという。

いつも買うお店へ出かけると
季節だからか20種類ほどキャップが
並んでいて選び放題だ。

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すべてかぶらせてもらい
選んだキャップは黒。
スポーツメーカーのものと違って
普段、着ているシャツにも合わせやすそうだ。

父はここで洋服を選ぶようになってから
とても洋服を着るのも、
それを着て出かけるのも楽しそう。
たかがファッションされどファッションである。

______


一方、義父はまもなく
ホスピスへ入院することになる。

自力で起きあがることはできないけれど、
おしゃべりはできる。
意識はあり、わたしのことはまだ覚えて
くれているが、自分が今居る場所がたまに
わからなくなる。

先日、義母が「お父さんがよくなったら・・・」
という言葉を使った。
母なりの優しさだろう。

義父がこれ以上、よくなることはない。

義父は「今の状態を教えてほしい」と私に言った。
「本当のことを知っている」と夫は言うけれど、
薬の影響なのか、年齢的なものなのか
忘れてしまっているようだ。

私から全てを話すにしても、どこまで
そしてどんな風に伝えればいいか迷う。

もし自分だったら今の状態を正確に
知りたいと思うけれど、
それは私の場合であって、父の場合は
違うのかもしれない。

「教えてほしいよね。何度もわかるまで
説明してほしいよね。」
と返すしかなかった。

対象的な2人の父を前に、
少し気持ちが乱れる週末でした。

さて、今日は義父とどんな話をしようか。

人はできれば、「普段していたこと」を最後の日でも
続けるのが最も幸福なことらしい。
(曽野綾子さんの著書より)

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